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人生にムダはない。走りながら、考えればいい ~小倉克夫理事長に聞く (キャリア・カフェ 基調講演)~

~小倉克夫理事長に聞く (キャリア・カフェ 基調講演)~

読売新聞20200922 掲載紙面 小倉さん撮影
読売新聞20200922 掲載紙面 小倉さん撮影

― 新聞記事(9月22日読売新聞)、拝見しました。

小倉 ありがとうございます。

― 「キャリアに悩み学び直そうと思ったとき、どうすればよいか」というお話ですね。2020年のキャリア・カフェ(11/3、12/5、2/7)では、冒頭の基調講演で同様の内容をお話いただくかと思います。具体的にどのようにすればよいか、もう少しお聞かせください。

小倉 自分は何ができるか、何をやりたいか、社会はどう変わっていくか?この3つを考えて、できることから試してみればいいと思うのです。弱みでなく、自身の強みを活かすことを考える。そして、まず、やってみる。走りながら考える。違っていたらやめればいいし、よければさらに進めればいいのです。

― 小さいことでいいから、まずやってみることに意味がある、ということでしょうか?

小倉 そうです。3R(RUN、RESET、RESPECT)とも言っていますが、走りながら考える、ダメならリセットする、人・物・自分自身をリスペクトするということです。


― リスペクトに自分自身を入れていいのですね。

小倉 もちろんです。自分にプラスの働きかけをする、これはとても大事です。自身の欠点や至らないことを謙虚に認めていることが前提ですが。

― なんか、うれしくなってきました。

小倉 このコロナ禍で、事業を大きく成長させた知人がいます。本当に紙一重の状態で厳しい逆境に耐えながら、乗り越えることができた。もし彼が自分自身に「俺はだめだ」「どうせ俺は」など、マイナスの働きかけをしていたら、どうなっていたか?事業の成長はなかったでしょう。

自身の未来は自分でつかむ。待っていても幸せは来ない。コロナ禍の今は、それがより顕著になったのではないでしょうか。

だからこそ、小さなことで構わないので、ぜひ目標を持ってやっていくとよいかと思います。やってみて、できた部分は達成感を味わえるので、またやってみよう、と思い、それが成長につながります。

― 小倉さん、何かされていますか?

小倉 緊急事態宣言が出されてから、毎日韓国語を勉強しています。1日30分。まだ続けていますよ。

― 「〇〇が足りないから、まだできていない」と言う人も多いと思いますが、どう思いますか。

小倉 これも自分に対するマイナスの働きかけであることが多いですね。〇〇は足りないかもしれないけど、今の状況で何ができるか、ちょっとがんばればできることは何か、というプラスの働きかけに変えるといいですよ。自分自身へのプラスの働きかけが未来を切り開くのだと思います。

 

― 結局、やりたいことはどうやって見つけるのでしょうか?

小倉 足下を見る、つまり、自分のこれまでを振り返って、自身の興味を考えてみるといいですよ。必ず、何かあるはずです。それに気づいていないだけかもしれません。

これをやりたい、を直感でわかる人は少数で、多くの人は、振り返って分析してわかるものかもしれません。

― どのように分析すればいいでしょうか?

小倉 まず、事実と意見を切り分けて捉えることが大切です。そして、情報に振り回されないこと。情報を取捨選択して、要らない情報は捨てることですね。

― キャリア・カフェ、楽しみにしています。

小倉 ありがとうございます。コロナ禍の中、少しでもお役に立てば幸いです。どうぞよろしくお願いします。


ーーーーーー小倉克夫さん プロフィールーーーーーー 

 小倉 克夫 NPO法人日本キャリア・コンサルタント協会 (JCCA) 理事長

富士フィルム株式会社でマーケティング、プランニング、営業を担当後、同社関連企業の社長を経て現在に至る。「働くことと人の心とのかかわり」を活動テーマに、企業研修や各種カウンセリング、コーチングなどの活動を行っている。著書に『社内突破力』(翔泳社)、『七転び八起きのキャリアデザイン』(東海教育研究所)、『40歳からの実践的キャリアデザイン』(中央経済社)など。